創業天保元年

「おいしい金沢の豆腐」を作り上げたパイオニア・・・

 

若い農夫だった大鋸嘉左衛門は平和な農村生活に満足せず、選んだのは豆腐づくり。人家が多く、近くに良質の井戸も多く、立地条件に恵まれた小立野に豆腐屋をオープンしたのは天保元年(1830年)のことだった。

当時、豆腐といえば生食品とあって、加賀前田藩は衛生的な見地と品質管理のため「豆腐座」を設けた。

この座に加入して運上銀(税金)を納入する商人以外は自由に製造することを許さなかった。後に規則は緩和されたものの、豆腐屋を開業できたのはごく数人だけだった。

その後様々な工夫と努力を重ね、店の近くにある天徳院(三代藩主 前田利常夫人の菩提寺)への御用商人として、また藩の出入りも認められるようになった。

 

・・・現在六代目の当店は天保の昔から一世紀半、豆腐づくり一筋に歩んで参りました。

豆腐が家庭の食卓に並び続ける限り、大鋸の味づくりに対する思想は変わらず継承されていきます。